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「オェェェえ"っ!じぬ!!、ベロとアタマがビリビリすりゅぅぅ"……」
「あほ! おバカ! 警戒心ZERO!!、どんだけ食い意地張ってるんですか!?、自然界は蛍光色=猛毒なんですよ!ホラッ──ぺっしなさいぺっ!、」
「食わせたやづガ……ヒィ、……言うなよぉ……っう"、ヒィ……」
──Tra音n van geナーde)
「エ" ……?、何て?」
「気にしなくて良いですよ。ホラ、飲めます?」
口と鼻と目から汚ねぇ涙を流しながら、彼女が何処からか汲んできた水にすり寄る。
四つん這いで、踏まれたカエルみたいな格好で、幼女のちっちゃい手に乗る液体に首を伸ばして。まるで山火事から逃げ延びた小動物のように。
「お"……オ?っ、おっしゃ! 復活!!」
「お~元気元気、まぁ強めのおまじない掛けましたからね。しばらくは大丈夫ですよ」
「オウ!何かスゲー元気!ありがとうなホント!!……えっ、なんかスゲー元気。大丈夫な奴だよな?、あの水って、え?」
「大丈夫ですよ~えぇモチロン。まさか疑ってなんかいませんよね~うふふふふ~」
口元に手を当てて怪しく笑うヒルメ。美人からハイライト消えると怖い事を思い出しながら、怖くなった俺も愛想笑いでごまかした。
「さて。早いとこお家に帰んなさい、これ以上 ここでグズグズしてると、今度こそさっきのトカゲさんの比じゃない、ヤバめのが闊歩してきますよ」
そうジト目の彼女が指差した先、そこに青は無かった。遙か先地平線の果てまで、深々と紺が染みていた。
ドコ行っちまったんだお日様。いや、夕焼けは確かに見てたんだろうけどさ。……あぁもう分かり辛ぇ、
後悔先に立たず。勇者じゃ無い俺には過ぎ去りし時はどうしようも無く遠くて。仕方なく、満面の笑みを浮かべて偉そうにコチラを見下してくる満月に向かって、理不尽な舌打ちだけを鳴らした。
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