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長靴に憧れる、ねこさん。
ねぇねぇ、知ってる?
人は、お空から降ってくる不思議な水の粒がいっぱい降ってくると不思議なものを履く。
それが、長靴。
ボクは、この履物が何故か気になるのだ。
もちろんボクのご主人様も履いている。
だから、尚更気になるのかもしれない。
気に、なりすぎ、て・・・・・・。
「あ!アゲハぁっ!!」
「ーっ!!」
「お前という奴はぁ・・・。またかぁ、これで4足目よ?こんなに引っ掻いてぇ。うりうりうりうり」
「~~~~~~~~」
「まったくぅ」
そう、長靴に爪痕を付けてしまうのだ!
だって、だって。
気になるんだもん。
許してご主人様?
怒りながらボクの顔をムニムニしてくれるのは嬉しいだけど、これもクセになってしまう。
「お前は喜んでるだろう?私は怒ってるんだぞ?もぉお、うりうり。でも、絶対遊んでくれてると思ってるでしょう?この、うりうり」
「なぁああああああああぁぁぁ」
「違う。って?どうだろうなぁ。言葉が話せるんだとしたら、聞いてみたい。なんてね。さて、この長靴はどうしようかなぁ・・・・」
ボクからすぅっ、と離れたご主人様は長靴を眺めている。
また、捨てちゃうのかな・・・。
新しいのがきたら、また、爪痕つけちゃうよ?
その、ツルツル感が、長さが、好きなんだけどなぁ。
長靴を眺めるご主人様をボクは眺める。
「捨てないで」
そう、言えたら、良いのに。
そう思いながら見つめているとご主人様がボクのことを見た。
「・・・よし!これはお前に上げよう」
「ーっ?!」
「よいぃ・・・・・・しょっ、と。うふふ。不格好だけど、似合ってるわよ?長靴を履いた猫。もう、新しいの引っ掻いちゃダメだからね?」
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