1、星さん降ってくる

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 ……なんて、事は起こらず、レーザー音だけが虚しく部屋に響き、缶はびくともしていない。ただのてんとう虫のような光が照らすのみ。 「え?」 「え?」 「いや、え? じゃないよ。破壊するんじゃなかったの?」  星さんは、あっれー、おかしいなぁ、と言いながら腕時計に視線を落とす。ボタンを押したり、腕を振ってみたり、外してみたりした後に、えへへ、と笑って俺を見た。 「あの〜、ひーくん」 「……なに?」 「報告ですっ!」  改まった彼女は宝石のような青い瞳を俺に向ける。 「この時計、征服用のものじゃなかった」 「うん。……じゃあ、何用?」 「レーザーポイント、みたい」 「え、プレゼン用!? ここまでブラックが……」  星さんにうっすらとポンコツ臭が漂い始めた。
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