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翌日、役所で相談したところ、三人とも学生であり、イナヤの身内も皆無ということで、十万円で引き受けてくれる葬儀社を紹介してくれた。
さらに役所の世話により、無料に近い料金で場所も決まった。
アズサはサヤカと、S病院の休憩所でホッと一息つき、
「これで何とかなりそうね‥‥」
「アズサ、ご苦労さま。もう少しよ」
その翌日、公民館でイナヤの葬儀が行われたが、喪服のアズサはその遺影を見て、
「けっこうイケメンだったんだ‥‥」
イナヤが、彼女の自室で亡くなった時は、とにかくユトリを持って見られなかったからだ。
続いてイナヤの遺体は火葬場に運ばれ、天に昇って逝った。
アズサとサヤカは、同様の目的で訪れた人々を見ながら、
「ようやく終わったね‥‥」
「まだよ。彼のお墓を建てて納骨しないと」
「お墓か‥‥。どうしよう‥‥」
「また役所に相談すれば?」
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