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その後、イナヤの骨が収まった小さな壺は、二階の元彼の部屋に置いた。
アズサとしても、さすがに自室で彼の骨と寝るのはイヤだったのだ。
ちなみにベッドは、イナヤのお金を手にした翌日、買い替えていた。
翌日、役所で断られたので、葬儀社で墓と霊園の相談をすると、それなりの所を紹介してくれた。
それから1週間後‥‥
小さな霊園にイナヤの墓が建ち、納骨の日を迎えた。
納骨を終え、美しい花束が供えられた墓の前で、アズサが、
「あたし決めた。医者になるよ。あのイナヤ君の意志を受け継いで」
サヤカは思わず、
「えっ、マジで?」
「大マジよー!」
その思いを応援するように、温かい日差しが降りそそいでいた。
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