冷たい人――からのメッセージ

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 サヤカは、その横にあるフォルダをクリックした。  すると1枚の地図が現れた。  彼女は、メモの文面を地図の画像の上に移動した。 『そこに入ってる地図は、この街の地図で、北方向の山中に赤い印がありますが、そこは廃神社の位置です。 廃神社の裏の縁の下に、僕の全財産が入った金庫を隠しておきました。 もし貴女が、少しでも僕に哀れみを感じてくれたなら、そのお金の一部で、僕の死体を火葬にしてください。 後の残りは、全て貴女の物です。 僕には、身寄りは全く無いので、相続の件は心配いりません。大丈夫です。 黙っていれば、全て貴女の物です。 ところで、僕の死体を見付けた貴女は、多分、警察に通報するでしょう。 そして警官が来たら僕の部屋のパソコンも調べるでしょうから、僕のパソコンに残っている文面から、財産を隠した廃神社の件や、フォルダ自体、削除しておきました。 ご安心ください。 ちなみに、貴女が警察に通報する時も、この文面の、その部分やフォルダは削除してから、通報した方がいいでしょう。 もし見付かったら、色々と面倒な事があるかも知れませんから。 見知らぬ二階の男が、知らない内に侵入して、亡くなった‥‥。 それだけで良いのです。 最後に改めて、今回の僕の身勝手な行動を深くお詫びします。 では、さようなら』
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