2.HAPPY×2トス

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 すっかり車屋の奥さんになった琴子先輩の変わらない優しい声。それだけじゃない。 『さえちゃーん、まってるよー』 『たけちゃんも、まってるよー』 『まってるー』  ママの電話の向こうから、可愛い女の子と男の子達の声。紗英は思わず微笑んでしまう。    あの日。ハウスレストランから四人一緒に出て、四人で食事をした。それからのような気がする? なんでも四人で食べに行ったり、遊びに行ったり、出かけたりするようになった気がする? 「たけちゃんも待っている、だって」  携帯電話を原稿の傍らに置いた紗英はふいに頬が緩んでしまった。  こんな時、紗英はさらに思い出す。兄貴とお姉さんからの『ハッピー・トス』。ブーケとガーターベルトを同じ日に揃ってもらったんだよね……、と。  またスマホがぶるぶる震え、毎日耳にしているメッセージ着信音。もう誰かわかって、紗英は笑顔のままパネルを眺める。 【 龍星轟で待っている 】 ※ハッピー・トス 完※  ★次回より、結婚後・夫妻編(エブリスタ用に少しだけアレンジ) このあたりの番外編は、カクヨムさんでは投稿していません
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