12.ハタチになったら、愛してくれるの?

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 たしかに見たことがない彼の顔だと思った。でも厭じゃない。  落ち着いている小鳥を確かめた翔が、意を決したようにして、その唇を小鳥の乳房に落とした。 「あっ」  胸元にうずまる男の黒い頭。それが静かにうごめいている。  乳房の柔らかいまるみに、熱い感触。肌にキスをしてくれている。 「……大学生になって。小鳥が男と出かけるようになって。今度こそ、今度こそ。俺のことは忘れるかもしれないと思っていた」 「そ、そんなこと、一度も……なかったよ……」  そう応えた直ぐ後、小鳥は『あっ』という声を突き上げてしまう。ゆっくりと吸われる音が、『ちゅ』と小さく響く。  つんと尖ってしまった紅い胸先、そこを吸っては熱い舌を絡めてくる。 「……あ、ん・・翔にぃ……翔……」  彼の手から、大きめの乳房がこぼれ落ちるように強く握られていた。そこから淫らに突き出た紅い胸先を彼が何度も何度も吸っている。  これが……、男の人に愛されるって……こと。これが……好きな人に愛される感覚……!  ああ、やっぱりこの人は経験ある大人。慣れた指先と唇、女を愛すことをよく知っている。それがいま、小鳥の肌に身体に刻まれていく――。 「や、だ。しょうにい……もう、私、このまま……、……に、なっちゃうっ」 「じゃあ、俺でいいんだな。俺はもう……」  そこで言葉を切った彼の激しい口先に、小鳥は崩れていく。堪らずに彼を自分の胸の中にぎゅっと抱きしめてしまう。 「いいよ。お兄ちゃんがいい。お兄ちゃんじゃなきゃ、いや。ずっとずっとそう思ってきたんだもん……っ」  そう叫んだあと、乳房の柔らかい端を彼が強く吸った。今度は『痛い』と顔をしかめるほど。
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