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そんなことをされて『今夜はだめだ』なんて退ける英児ではない。でも我慢、我慢。でもキスだけはいいだろう? と、英児は琴子に覆い被さって彼女の上から唇を押しつける。強く押して、彼女より強い力でくちびるをこじ開けて、彼女よりずっと強く奥まで深く愛してしまうキスをする。
「ん、英児……さん」
少し苦しそうに呻く彼女のそれだけで、やっぱりどうにかなりそうなほど色めく顔をする。
いつも通りに英児は即刻、彼女が着ているキャミソールをめくって素肌へと手を這わす。その先にある大きくてふわっとした乳房をすぐさま握りしめていた。
琴子、琴子――。自制していたぶん、その心地よさは格別だった。だから英児は我を忘れてしまいそうになる。でもこの手は、今夜はもうどけなくてはいけない。
彼女を少しでも眠らせないと、明日も明後日も彼女は今夜のように夜遅くまで働かなくてはいけないのだから。
と、やっとの思いで英児は手を離したのに。
なのに、胸の下に抱いている琴子が思わぬ姿になろうとしていた。
「いいの、英児さん。今夜は、そんな気分なのは私なんだから」
いつも楚々としている彼女からの欲情に、英児は驚いて目を見開いた。
彼女からキャミソールを頭へと脱いで、大きな胸を英児の前に晒した。
「は? 琴子……?」
いつだって、速攻ロケットの英児が戸惑う彼女を瞬速素肌にしておっぱいを触るのが挨拶。そこから一気に『俺のもの』にして彼女を連れ去るように抱くのがいつものパターン。
「いいの。私も英児さんが恋しい……」
素肌になった琴子から抱きついてきた。
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