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「や、あ、あんっ。も、も、英児さ……」
押しつけられた琴子がシーツの上で悶えた。
琴子の頬が一気に染まって、気持ちよさそうに背を反ってさらに深く夫を飲み込んでくれる。おもわぬ射し込み方になって、逆に英児が『うっ』と呻いてしまう。
彼女が『そんな気分』と甘い眼差しをしていたのも納得する。疲れているだろうに、でも彼女もストレスを溜めて、俺と一緒、もうそこに男を欲しがる蜜を溜めて耐えていたんだって――。
「琴子。すげえな……。すげえいい」
下から力強く突きあげるだけの、男が溜めた我慢を女の中で解き放つだけの愛し方。なのに琴子は英児のすぐ下で『あ、あっ、ああん』と泣きそうな顔で首を振って喘いでいる。ほんとうに目尻に涙がちょんとこぼれてきて、そんなにいいのかと英児の胸もあつくなって、そこにキスする。
「ああん、英児――、はあ、は……、あん、もっと……よ、」
これだけ、男の性を容赦なくぶつけているのに、俺の女房はそれだけでは物足りないらしい。
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