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あんなに楚々としていた彼女なのに、俺の女房になるとこんなになって――。
でも英児は満足げに笑う。獰猛な龍の嫁なら、そう、いたぶられるほど妖艶になってくれなくちゃな――と。
仕事でくたくたになって、力尽きる前の女もものすごい色っぽくて好み。
だがいまは、仕事でくたくたになった妻が、そのストレスを発散するために夜中にこうして厭らしく淫らな女になるのも大好物になりそうだ。
最後は力任せに彼女をよつんばいにさせて、後ろから力いっぱいに押し込む。そういう荒っぽさだったのに、琴子はすごく気持ちよさそうな顔で甘い声をこぼしていた。
もう、だから。いつもはおしとやかな奥さんなのに。もう、ほんとうおまえってすげえな。
英児も気が遠くなりそうだった。車で峠をぶっとばしている時の爽快感に匹敵するほどの快感がここにある。
―◆・◆・◆・◆・◆―
程よい疲れがこんなに心地いいだなんて。翌朝、英児は珈琲を飲みながら、なんだかうっとりしていた。
琴子は大丈夫だったのだろうか。彼女も堪能してくれたようだけれど、それでも英児の溜まり溜まったエネルギーをぶち込んでしまったので余計に疲れていないか気になる。
「おはよう、英児さん。もう時間がないから行くね」
朝食もとらず、睡眠を優先したのか、今朝の琴子はもう出掛けようとしていた。
「いいのか、腹が減るだろ」
「うん。会社が始まる時間までに事務所で簡単にとるね。この時期はいつも眠るの優先でこんなになっちゃうの。心配しないで」
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