◆ ヤンキー君、いらっしゃい☆

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「ううん。本当にやっちゃうから、もう……びっくりしただけで」  本当にもう、こう思ったら即決でしちゃうロケットな旦那さんらしい。  そう思うと、琴子もやっとくすっと笑っていた。  そんな英児のそばに、琴子はエプロン姿で近づく。  大人の男らしく少し長めで整えていた黒髪をほんとうに短く刈ってしまって。 「触ってみてもいい?」 「ああ、いいよ」  背が高い彼が身をかがめてくれる。琴子は初めて、つんつんしている金髪に触ってみた。 「金髪、初めて触った」 「ふうん、そっか。昔はいろんな色に挑戦したな」 「今度は何色にするの」  琴子が笑うと、英児がちょっと驚いた顔をした。  そんな琴子を彼は今夜も抱きしめてくれる。 「しねえよ。今回だけだよ」  その声がちょっと怖い声だったので、琴子は首を傾げる。  やっぱり。昔の姿に興味を示すべきじゃなかったのかなと。  でも。どの英児も私には英児さんなんだもの。 ❁ ❁ ❁  その夜。また琴子は英児に激しく抱かれる。  今夜はベッドで、金髪のヤンキー男に。 「あん、はあ、ああん、す、すごいの……」  いつも以上に感じる自分を、琴子はおかしく思っている。でも、そう。昔の彼がいまここに来て、琴子を愛してくれている。そう思うと燃えずにいられない。  なのに英児は不本意そうな眼差しで、でもいつも以上に琴子を懸命に愛撫してくれる。だからこそ余計に悶えてしまう。 「なんか、違う男に抱かれて、いつもと違うから喜んでいるように見えるんだけどな……」 「今の英児も……、あの時も英児も……、ぜんぶ私のものよ……」 「そうだ。ぜんぶ琴子のもんだ。琴子の好きにしてやる」
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