◆ ヤンキー君、いらっしゃい☆

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 矢野さんと昔のバトルを再現してくれたように。元々の親子の大喧嘩を見届けるのもいいかも。恐れるよりもやりあっているのを見守るの、愛子お姉さんのように。  琴子も覚悟ができた瞬間。 「なんだよ。あの親父が怒鳴るところをみたいだなんて……。すげえな琴子は」  指先に煙草を挟んでくつろいでいる英児が、素肌の琴子を抱き寄せてくれる。琴子も彼の熱い肌、肩にもたれた。彼の肌の匂い、煙草の匂い。金髪でも一緒……。  ―◆・◆・◆・◆・◆―    初めての滝田家でのお盆を迎える日。 「いらっしゃい、琴子さん。英ちゃん……って、英ちゃん??」  滝田家の玄関を訪ねた琴子と英児をみた愛子がびっくりしている。 「どーしたの英ちゃん。そんなに短髪になっちゃって。まあ、夏だしねえ。あの仕事、外の時は暑いだろうしねえ」 「そうなんだ。ちょっとな短くしてみただけ」  そういって英児が撫でる短く刈り込んだ頭は、もう黒色。  琴子と英児はそっと顔を見合わせて微笑みあう。 「せっかく来たんだから、ご飯でも食べていきなよ。いつもお仏壇のお参りだけして、英ちゃんさっさと帰っちゃうんだから。今年は琴子さんもいるから、お父さんにゆっくり会わせてあげてよ」 「うん、まあ……。うん、わかった」
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