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綺麗にお化粧された彼の頬にそっと触れる。
指先から、ひんやりとした冷たさがすぅっと伝わる。
「あなたがお化粧なんて、何だか笑えるわね。」
そう言いながら、口は何とか口角を上げることはできたけど、
あなたはきっと、目が笑ってないっていうんでしょうね。
道路に飛び出した子供を助けたと聞かされた。
いつだって仏頂面で冷たいあなた。
でも心はあったかいことを私は知っていた。
だからあなたといることを選んだのよ。
ねぇ。
体まで冷たくしてどうするのよ。
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