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翌朝、僕は担任の先生に連れられて教室に入っていった。
「今日からこのクラスの仲間になる転校生を紹介しますね」
そう言って先生は目で僕に自己紹介を促してきた。
「初めまして。木村悠斗と言います。千葉県から引っ越してきました。プラモデルを作るのが好きです」
「じゃあ、木村君は窓際の一番後ろの席に着いてね。みんな、仲良くしてね。さて、授業を始めましょう」
僕は先生に指示された席にランドセルを置いて、隣の席の女の子の方を向いて声を掛けた。
「あの、僕まだ教科書持ってなくて、見せてもらえないかな」
「あっ、うん」
二人して机をくっ付けて、真ん中に教科書を置いて授業を受けた。
僕の右斜め前に置いてある国語の教科書。だけど、読みやすいなぁと思っていたら、少しだけ僕の方に傾けて、僕が読みやすいようにしてくれている。
優しいなぁ、この子。
彼女の机の上を見ていたら、授業資料のプリントに、五年二組佐々木裕奈と書いてある。
佐々木裕奈ちゃんかぁ。
細くて小さい体つきに、綺麗な二重の目。全体的に可愛いと思うんだけれど、何でかな、纏っている空気は少し重く感じる。
日が経つにつれて、分かってきたことがある。彼女は、ユーマと呼ばれていた。最初はニックネームなのかと思っていたけれど、どうやらバカにしている呼び方らしい。
なんでも、プールの時についた彼女の足跡に指が四本しかなかったから、未確認生物だという事になっていると男友達が教えてくれた。
いや、それってバカにする前に心配しないの? 痛くないのかな。治らないのかな。
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