好きな子のためなら何でもできる!なんて事はないんだよ(プールサイド③)

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 僕がギプス包帯の説明をしたら、やったことないから僕の足で練習させろと言われた。確かに、刃物使うし練習は必要だよなと思い、足を貸すことに同意した。  そして、それから三日間。僕の足は見事に切り傷だらけになった。とは言え、ラップを巻いた上から巻いたギプス包帯を切るのでそこまで深い傷ではないが、それなりに痛いし、血も出る。でも、これも裕奈ちゃんのためだ。  まる子さんから、裕奈ちゃんの足型を受け取り、僕は横橋先生に、協力してもらって制作に取り掛かった。今回は飛び出ている場所が変に当たって痛くならないような靴になる。本当は、インソールという中敷きを加工すると、もっと足にあった靴になるんだけれど、それはまたもっと勉強してからだ。だから、インソールを作るためにも僕はまだまだ一位で居続けなきゃいけない。  そしてついに靴が完成した。まる子さんから、裕奈ちゃんに渡してもらおうとしたら、「渡すのは自分でやんなよ」とスパッと言われてしまった。  オロオロしていたら、仕方ないといった顔をしながら、「よし、分かった。このまる子がまたまた一肌脱いであげよう」と言ってくれた。  きっと僕は一生、まる子さんに頭が上がらないだろう。
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