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惚気話
ああどうして惚気話とはどんな時でも退屈なのか。
頬杖をつき、すでに飲み終わっているドリンクの溶けた氷の水を啜りながら、和屋は友人である三上の話を聞いていた。
話はすでに一時間経っており、少し前から退屈と苛立ちを一切隠していない。にもかかわらず、というよりわざと三上は話を続けていた。
「それで律が」
「へー」
聞いていませんと言うような適当な相槌を打つが、今度はスマホを取り出し写真を見せてくる始末で泣き出したくなってくる。一体なんの罰なのか。
とストローをガジガジと噛みながら考え、すぐさま今日一時間遅刻したせいだろうなと目を閉じた。朝に散々三上に叱られたし、それでなくとも反省している。なのにこの仕打ち。
そもそも遅刻した原因は自分のせいではないし、恋人のせいなのだ。
「なあ、デザート頼んでいい?」
「んあ?いいよ。俺も頼むわ」
「ところでこの惚気っていつまで続く?」
「律について話すことなら今日だけじゃ足りないくらいある」
「……これって罰ゲーム?」
「は?お前、俺の可愛い律の話が罰だって言いてえの?」
あ、地雷。
察するのは早かったが、撤回までは速度が足りずに三上の反撃がやってくる。
「俺の、可愛い、恋人の、律を」
「ごめんごめん待って」
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