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「俺がお前に似合いそうって言った服とかこっそりあとで買って着てるよな。俺の前では着ないけど」
「う」
「深夜に電話かけても怒らないし、今もこんな話に付き合ってるし」
「……」
「それに会うと必ず俺と同じコーヒー頼むよね。ね、どう思う?絶対に脈あると思うんだけど」
自信満々に笑う豊は、想志が知ってる豊とは別人に見えた。
そして豊はカップを掴んでいた想志の手を取り、恋人のように指を絡めて握る。その仕草一つがやたらくすぐったく恥ずかしい。
「想志」
楽しそうな声音の豊が名前を呼ぶ。
顔を赤くさせた想志が恐る恐ると顔を上げると、豊はニッと笑った。
「ねえ、俺と恋人にならない?」
「……ぜひ……喜んで……恋人になってやるよ」
投げやりに放ったその答えに、豊は「あははっ」と大きく笑った。
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