第二章 オスカル様まだ出てこなかった

13/23
前へ
/89ページ
次へ
しばらくして、彼から 「よかったらお茶でもしない?」 というありきたりなLINEが来たので、とりあえず彼に会う事にした。どうせライブに来いって話なんだろうけど。 「あっ…あの時はありがとうございます…!俺の事、覚えてますか…?」 覚えてるからここに来たのだろう。 「うん…!誘ってくれて、ありがとねー!」 それから、彼と色んな話をした。年齢とか(タメだった)好きな音楽とか、なんでバンドを始めたとか…そんなすごくありきたりな時間が流れていった。そんな時間も、この時から少し愛おしく感じていたのかもしれない。 それからしばらくして、私は彼のバンドのライブに通うようになった。 ー楽しかった。 会社と家の往復の真っ白な毎日が、一気に華やかに彩られたキャンパスのような日々になった。 えっ…私って、ホストとかにハマるタイプ…?
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加