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「か、神様! ソウスケは、消滅しちゃったんでしょうか!」
「…………」
私の質問に、彼は寂しげに目を細めた。その様子を見て、一気に心が冷える。
まさか、本当に? 消滅しちゃったの?
手足が震える。それを落ち着かせるように自分で両手を握りしめると、目の前の彼に縋りついた。
「あの! ソウスケは、私やたくさんの人を助けるために力を使ったんです……どうにかして戻してください! 私の陽の気いくらでも使ってください!」
「残念ですが、先日死にかけたことで、あなたの陽の気はもう人並みに戻ってしまっています」
「な……!?」
「これからは不運に巻き込まれることもありませんよ」
陽の気が、もう戻ってしまっている??
愕然とした。
そんな、まさか、私がソウスケを助けられる唯一の方法だったのに。彼のそばにいる唯一の理由だったのに……!
ショックを受けた心を何とか落ち着かせ、私は首を振った。
「な、なら、私の命使ってください、私死んでもいいです、ソウスケを戻してください!」
目の前の白い着物に縋り付いて懇願した。
両目からどっと涙が溢れる。
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