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だけどそんな気持ちは、決して口には出さない。
その代わり、優しい声音を装い応えるだけにする。
「そうなの? 毎日凄いわね」
嘘だわ。本当はそんな事、微塵も思っちゃいない。
嗚呼。私の内で、醜い感情がどんどん産まれて、溢れていくわ――。
「うん。ちゃんとしてるって感じ。お前も少しは見習ってくれよ」
布団を毎日干した程度でそう言われるなら、全国の主婦は、毎日家事をこなしているだけで畏敬の念で見られなければ、割に合わないわよねぇ。
それにねぇ。私の分はちゃんと、定期的に日光に晒しているわよ。
ここに住むようになって、今まで一度だって干した事がないのは……。そうねぇ。やっぱり、夫の分だけかしらね。
もしかしてこの人、何故自分だけがそうされるのか、本気で理解していないのかしら?
だとしたら笑えるのだけど、だからと言って、本当に笑ってはいけないわよね。
さて、洗い物も終わったし、ちょっと天気も悪いから、先に洗濯物が乾いているかチェックしておきましょうか。
中庭があるのはとても便利だわ。だけど天気の悪い日には、外に置いておけないのだから、少々不便ではあるのだけれど……。
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