死ぬんだと言って君は笑った

肝心なことは伝わらない

今日もまた、彼女が課題を片付ける俺の監視に来た。

特に何をするでもなく、くつろぎながら本を読んだりスマホをいじったり。好きなように過ごしていた。今はちょうどやっていたお昼のニュースを見ている。

もうこんな時間か～、ご飯食べなきゃなと思った時、しばらく黙っていた彼女が声を出した。

｢ねぇ、｣

｢ん？｣

｢海行きたい｣

｢海？？？｣

なにかと思えば海に行きたいと言い出す彼女。急にどうしたんだと思いながらも、暑いしちょっと行きたいかも、でも暑いから外出たくないななんて心の中の天秤がグラグラと揺れる。

｢なんで海？｣

｢んー、なんとなく？｣

なんとなくかよ。

｢いいけど、いつ行くの？｣

｢今日、夕方に行こ｣

今日ってまた急だな。
夕方なら多少は涼しくなっているだろうし、まぁいっか。

｢わかった｣