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「お、懐かしい」
彼女の手には一枚の写真。
付き合ったばかりの頃に撮ったものだ。
照れくさそうにそっぽをむく俺と、嬉しそうに笑う彼女が写っていた。
「もう1年半か、、、あっという間」
「んね、ほんとに」
俺たちが初めて話したのは、高校1年の時の学校祭準備期間中だった。
見かけたことはあったけどクラスが違ったから全然関わりがなくて、彼女と同じクラスの友達に用があって行ったときに少し話したのがきっかけだった。
「そういえば、写真立て買おうと思ってたけど結局毎回買うの忘れてノートに挟んでたんだった」
初めて撮った写真を記念に飾ろうと現像したは良いが、写真立てなんて持ってなかった俺は買うのを忘れ、そのまま適当なノートに挟んでいた。
「私は写真ケースに入れてしまってある」
そう、写真立ては持っているがやっぱり飾るのは恥ずかしかったらしく、彼女もケースに入れてしまっているらしい。
今どき写真立てに飾っている人は少ない気がするし、俺自身飾ってないから別にいいのだが。
彼女から写真を受け取り、裏返してみる。
(ずっと一緒にいようね)
そんな約束もしたな~。
所詮学生の恋愛。高校生で付き合ってもその先を考えている人はきっと少ないだろう。
そして、この年で最初から結婚を考えて付き合うこともあまり無いだろうし、実際結婚までいく人は少ないと思う。まぁ、俺の勝手な推測だが。
でもあの時の俺たちは、その相手はお互いしか考えられなかった。いや、きっと今でもそう。少なくとも、俺はそうだ。
だからきっと、多分そういうことだとおもう。
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