まちぼうけ

まだか、まだ来ないのか。

イライラしつつ顔を上げる。

だからいったんだ。

「じゃあ○○○モールで」
「△▽駅で」
なんてあいまいな約束、

施設は広いから、そんなのでちゃんと会えるわけがないんだ。

全く君は、いつもそうだ。

私は東入り口で、君はインフォメーションで。

私達はいつも間違える。

時計をちらと見、それからまた、もう十何度目かのベルを鳴らす。

やはり、君は出ない。

焦燥にも似た怒り。

ああ、まただ。
いつもと同じだ。
まだ気がつかないか。

次こそは、もっと細かく綿密な計画を。

細やかでかつ狂いのない、隙のない約束をと、幾度となく巡らせた思いを、
今日また繰り返している。