それは夢なの?

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それは夢なの?

隣の席の随分年上の同僚が帰ってきて席に着く。 僕の作った報告書を読んでため息をついた。 「なんでこれ作ったの?」 なんてって作んなきゃダメだろ? 「えと、それは。何かまずいですか?」 「わかんないの?」 そもそもどの部分についてのことなのかもわからない。 そんな僕を見て同僚はあからさまにため息をつく。ハァーって感じ。 「ここだよ、ここ。なんでこうなってるの?」 なんでも何も顧客がそうしたからそう書いてるのであって。 「普通こう書かないよね。なんで書いたの?」 なんでって書かないとダメだよね。 「それは……」 説明しようのない話が続いていく。胃が痛い。 それでふと目を覚ました。 そうか、今までのは夢だった。よかった。 枕元には女の人が座っていた。 「おはよう」 「おはようございます」 「なんかうなされたけど大丈夫?」 「うん、なんか嫌な夢を見た」 「そう、そんな夢気にしなければいい」 「そうだね、気にしないことにする」 そこで僕はまた目が覚めた。 ……また夢? 隣の同僚は僕の書いた紙に文句をつけている。 「あれ? さっきのは」 「聞いているのか?」 「あ、はい、ちょっとお手洗いいってきます」 「まて、おい」 僕の頭はひどく混乱していた。 何に混乱していたのかはよくわからない。夢なのかな。違うのかな。 トイレに向かうとどの個室も和式トイレだった。 別にトイレに行きたいわけじゃない。洋室トイレに座って少し考えたかったんだけなんだけどそれもできない。 トイレから出るとそこは病院の中だった。あれ? 待合室を通って外に出ようとするとピピと音が鳴る。 検温機。よく考えると少し熱っぽい。 「もう一度そこを通ってください」 看護師さんみたいな人がそういう。 検温機の前を通るとまたピピと音が鳴る。 あれ? やばい。 僕、おかしいのかな。 -付言 昨日ちょっと昼寝したときに見た夢。 昼に書いたけど更新してPOPしたらなんかやだから深夜まで溜めた。今なら誰もいないだろ。 よく考えたらこれちょっと胡蝶の夢っぽい。 場面ががちゃがちゃ変わる夢ってのは割とよく見る。
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