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大好き
「大好き」
そう言ってヒロトは私を抱きしめた。
「本当に?」
本当は知っているけど、それでも尋ねてしまう。
「本当だよ。食べちゃいたいくらい」
その言葉に少しどきどきした、だから。
「食べて♥」
「本当にいいの?」
「うん」
その瞬間、ヒロトの口は大きく裂けて、頭蓋は普通ではありえないほど膨らんで、私はその大きく広がった口腔にすっかり飲み込まれた。
ああ、私、愛されてる。嬉しい。
ヒロトが人じゃなかったのはちょっとびっくりしたけど。
嬉しい。
-付言
よく考えたらこれ、怪談1章にいたわ。
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