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港町
俺は沖堤防にぼんやりと座っていて海を見ていた。
モネの『印象・日の出』のように、目の前は朝もやがかかっていて、どこかから昇っている日の光がもやの中を乱反射して、目の前を紺色とオレンジ色と緑色に不自然に染めていた。全てがぼんやりしている。
目を凝らすと遠くに小さく黒い船の影がある。そう思ったら、ボォーと汽笛が聞こえた。
沖堤防のコンクリートから朝の冷気がふとももに伝わってくる。なんとなく寂しい気持ちになったけど、この場所は落ち着いて好きだった。
そう思うと隣に人が立っているのに気がついた。多分男だ。
「ここは夢だ。帰れ」
俺はそう言われた。そうか、夢なのか。
気づいてしまった。そうするともう、追い出されるしかなかった。
俺は諦めて、海に飛び込んだ。
-付言
昔見た夢で印象に残ってるやつ。
自分的には夢って夢の中で気づいたら追い出される。
凄い残念な気分。
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