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バラバラな朝
ふと目覚めると、バラバラになっていた。
右ほっぺたを下に転がってる俺は首だけで、直ぐ近くに右前腕とか左太ももとか腰とかそういうサイズのパーツごとに体が散らばってる。
それらの俺のパーツはそれぞれ細い線で首と繋がってて、感覚は共有してるのに、バラバラだから動けない。
ふいに俺の耳に声が聞こえる。
「どうしたい?」
目だけそちらに向けるともう1人の俺がいて、ようするに元のように繋ぎ直して欲しいか、そのままがいいか尋ねるんだ。
すごく優しい声で俺にそう尋ねて、試しに右前腕を持ち上げる。触れられた部分が気持ちいい。
「どうしようかな」
ちょっと悩む。全部繋がると、俺の隙間から湧き出たもう1人の俺は消えてしまう。それはなんだか寂しい。また1人になるみたいで。だから本当はこのままでいたい。
でも起きないと。そんな気持ちもあって仕方なく返事する。多分寝ればまたバラバラになって、きっとまた会えるだろうから。
ー付言
今日の寝起き。
これ系の感覚は割といつもある。
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