桜庭Side 

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 ひなたに開発中のアプリに登場する猫のキャラクターのコスプレをお願いしなければならない事態になった。  ゲームやアニメにはありがちだが、この猫の使い魔「メルちゃん」は、かわいい声で、ロリでエロ。肌の露出度が高いデザインになっている。  見てみたい気はする。  猫耳とか尻尾とか…たぶんとても似合うと思う。    だが、他の男には見せたくないっ!  だから、ひなたが断ればいいと願っていた。  実際、「断られましたぁ」と情けない顔で戻って来たチームメンバーの姿を見た時にはホッとした。  それなのに…。 「でも!桜庭課長が直々に頭を下げたら考えてくれるらしいですよ!」 「断る」 「えぇぇっ!桜庭課長、そんなこと言わないでください」 「断るったら、断る」 「あきらめろ、桜庭。ゲームショウ、成功させたいんだろう?頭下げて来い」  いつのまにか社長の杵淵さんが後ろに立っていた。 「あの子、こういうときに使えそうだって一目見たときに思ってその場で採用を決めたんだよね。楽しみだなあ、田辺のメルちゃん」  なるほど、ひなたの秘めたかわいらしさに気づいていたのは俺だけじゃなかったというわけか。  いや、でも、本人が断固拒否したらさすがに無理強いはしないよな?  頼むから断れ、断ってくれ!  強く願いながら、ひなたの元へと頭を下げに行った。  それなのに、またもやそこに杵淵さんが現れて、ひなたも了承する方向で話がまとまってしまったのだ。  くそう、初めからこうするつもりだったんんだな!?
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