桜庭課長とわたし

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 むすっとしていると、後ろから「あははっ」と朗らかな笑い声が聞こえた。  桜庭課長と組むことが多い長谷川さんだ。  ほぼいつも一緒にいる印象がある。 「18日の14時納品でいいなら、どうにかするよ?週明けじゃなくて、その前週内に納めて欲しいってことでしょ。月曜の朝も金曜の午後もあんまし変わらないから、いいよ」  スマホでスケジュールの進捗状況を確認しながらそう言ってくれた長谷川さんは救世主だ。  眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいる漆黒の魔王とは正反対の純白の救世主(ホワイトメシア)! 「ありがとうございます!助かります!後で営業担当者から確認の電話入れさせますので、よろしくお願いします」  深々と頭を下げていると、「長谷川さん、あいつに甘すぎますよ」と不満げな声の後にドアが閉まる音が聞こえた。  ブラックサタンめーっ!
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