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「よろしくお願いします」 私が頷くと、町長さんは嬉しそうに笑った。 「そうか、来てくれるか。助かるよ、ありがとう」 ありがとう。初めて言われた言葉に、またグッと目頭が熱くなる。ここの人たちは温かすぎるんだ。フローといい町長さんといい、町の人たちもそうだ。素性の知れない私にいつも優しく笑いかけてくれる。 「なら、明日からおいで。それじゃ、私はこれで失礼するよ」 手を振る町長さんを見送ってしばらくぼーっとしていると、フローがポンと私の肩を叩いた。 「とりあえずご飯にしよう」 次の日。大きめの屋敷の前に私はいた。 「いや、デカくね?町長さん家デカくね?」 なんて独り言を言っていると、庭の方からひょっこり誰かが顔を出した。 「おお!チヨメ!来てくれたのかい!」 そりゃ呼んだのあんただろ。なんて言葉を飲み下して会釈する。 「今日からお世話になります」 にっこり笑って見せると、大きく手招きしてくる。 「早速なんが、ちょっと来てくれないか!」 え?早くね?なんて思いながら駆け寄ると、そこには小さな蛇が。 「こいつがここから退いてくれなくてなあ。チヨメ、動物は大丈夫かい?」 勿論大丈夫だ。暗殺者の中には動物を使う者もいる。私の場合は蛇を使うこともあったし。 「えぇ、特に蛇なら大丈夫ですよ」 大丈夫。と心の中で言いながら手を差し出してみると、大人しく私の手に乗ってきた。だからそのまま肩に乗せてやると、木に巻き付くように私の首に巻きついてくる。 「チヨメ!締められるぞ!」
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