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『時代はオンライン授業にテレワーク。我が校もいずれは時代にコミットしていかなくてはなりません!そのきたるべき日に備えて生徒会においてリモート会議などをトライアルしていきたいと考えているのです!(ばぁんっ)』
〜〜〜〜〜〜 ここまで回想 〜〜〜〜〜〜
「とブチ上げて活動費からイヤホンマイクとウェブカメラの費用をもぎ取った私を讃えたまえよ」
画面の向こうでドヤ顔をする我が校の名物美人会長ニカイドウを生温い視線で黙って見守る書記のニノマエ。
「素晴らしいな生徒会長!さすが我らが生徒会長!いよっ!この生徒会長!」
やはり画面の向こうでほぼなにも言ってない感じの賛辞をテンションだけで出力している副会長のニシキ。
「よくその怪しいカタカナの羅列で先生方を説得できましたね」
ニノマエの疑問にニカイドウがにやりと笑う。
「ふふふ、だからなのだよ。ニノマエくん」
「どういう意味ですか?」
「私がどこかで聞いたようなビジネス用語をさも『先生方はもちろんわかりますよね?』って顔でまくし立てることでわからないって言わせない雰囲気を作るんだ」
「ええ…」
「反論や却下しようとすると知ったかぶりがバレてしまう。『なるほどニカイドウくんの言うことにも一理あるな』とかもっともらしい顔で頷きながら肯定するしかなくなってしまうのさ!」
汚い。あまりにも汚い。ちらりと画面内のニシキを見るが彼はさすがニカイドウやり手だなーなどと感心していて同意は得られなさそうだった。恋は盲目。
そう、この生徒会副会長ニシキは生徒会長ニカイドウ愛しの一念で今年の生徒会選挙を勝ち抜き夏休み前に告白までこぎつけているのだ。
ただ、結果は生徒会長の意向により保留である。
「会長の手腕はよくわかりましたが、会計のニコくんがまだ居ないんですけどどうしましょう」
「ああ、ニコくんは今日は用事があって参加できないそうだ」
ニカイドウの説明を聞いてニノマエが爪を噛んで舌打ちする。逃げたわねあいつ。機会があったら絶対シバく。
「行儀悪いなあニノマエちゃん」
「すみませんちょっと腹に据えかねることがありまして」
「あ、はい。え、こわ」
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