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エゴイスト
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■ 3/10 5:20
吹雪
*私は眠っていた。夜が明けてお店に行けば、今日もあなたがいると信じていた。この日も、いままでと同じように、あなたと仕事をするのだと思っていた。
■ 3/10 5:25
吹雪 (横殴りの真っ白な雪のみ)ホワイトアウト
■ 3/10 5:44
吹雪
*帰ろうと思ってくれなかったの? 暖房の道具もテントもあった。帰ろうと思っていたのなら、どこで帰らないと思うようになったの?
ハコと父とダラシーノのこと……どこでサヨナラしたの……
■ 3/10 5:55
吹雪
■ 3/10 5:56
吹雪
■ 3/10 5:57
吹雪
■ 3/10 5:58(3/10当日 日の出時刻)
吹雪
■ 3/10 5:59
吹雪
■ 3/10 6:00
小雪がちらつく空になる。視界が開ける だが向こうはまだ吹雪
■ 3/10 6:10
■ 3/10 6:10
■ 3/10 6:11
■ 3/10 6:12
■ 3/10 6:14
■ 3/10 6:15
■ 3/10 6:17
吹雪が開ける。駒ヶ岳の山裾に日の光が差し始める
駒ヶ岳と湖面が薄紫に染まり、湖面に星が映りそうな雪開け
紺碧、紫苑、薄紅が混じる夜空に、雪細工の森林
去って行く吹雪がのこした、ちらちらと落ちていく粉雪――
――刻々と夜明けの色が移りゆく連写が遺されている――
■ 3/10 6:30
湖面に駒ヶ岳が映り、空が白み始める。
―― ここで写真データ 途切れる ――
*ハコ――、死ぬほどほしいものがあることは、しあわせなことなんだよ。僕にはそれが写真だったよ。写真がなくちゃ仕事もここまでやれなかった。
*僕は、大沼で見られる景色がぜーんぶほしいんだ。
ほんっとに美しいんだよ。宝石を手に入れたと言えばわかってくれる?
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