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「秀星さんの前に、矢嶋シャンテでメートル・ドテルをされていた方だよ。もう引退をされてね。地元の大分に帰られたんだ。つまり、秀星さんのお師匠さん。そして俺の師匠の師匠みたいなお方だよ」
え!? 元メートル・ドテル!? 秀星さんのお師匠さん!?
葉子の背筋も一気に伸びた。驚きで息が止まったまま、白髪のご老人を見つめる。
「すっかり老いぼれですけれどね。ああ、会いたかった。ハコちゃんに」
突然やってきて、驚かせてすまなかった――と、元給仕長とやらの彼が、蒼にぺこっと頭を下げている。
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