38.兄弟子がやってくる

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「甲斐さんとの引き継ぎで早めにこちらにくるんですかね」 「矢嶋社長の話しだと、三月半ばまでに移転準備をするようにと伝えているようだったよ。私が大分に帰るのが五月初旬、水芭蕉を見てから。それまでは引き継ぎ期間となっている」  どうやら、三月半ばには、新しい上司がやってくるということらしい。  でも引き継ぎで、甲斐チーフもしばらくは一緒だから大丈夫かなと、葉子も胸をなで下ろした。  そんな甲斐チーフと約束していることがある。  今年の秀星の命日には、あの場所へ弔いに行くと――。  あの夜明けを、一緒に迎えることにしていた。 ⇒本日は、39話も更新
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