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「仲間外れ見つけた」
福笑いのように顔のパーツがバラバラな女が、仲良く遊ぶ子供たちを覗き込んで言った。
一番楽しそうに笑っていた少女がフッと消えた。
「仲間外れ見つけた」
会社員の昼食時、福笑いのように顔のパーツがバラバラな女が現れて、言った。
孤立して食べていた社員がフッと消えた。
「仲間外れ見つけた」
福笑いの女が老人会の集まりを覗き込み、言った。
陰口を叩かれている器量のよいお婆さんがフッと消えた。
消える基準が分からない。
会社員とお婆さんは明らかに仲間外れだったろうが、少女については説明がつかない。
深く考え込む僕の隣を、酔っぱらいたちが通りすぎていく。
福笑いの女が僕を見ていた。
「仲間外れ見つけた」
終
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