プロローグ・墓場に呼ばれし者

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「戻らなきゃっ…」 とかく皆の居る場所に帰らなきゃっ! しかし…そうは気持ちが焦いても自分がどうやってこんな場所に来てしまったのか全く覚えが無かったのでどれだけ帰りたくても戻り道が分からず帰るに帰れません。 「……お、落ち着いて私…落ち着くのよ…」 でもそんなに落ち着いてられる余裕あるのっ!? 「大丈夫…きっと皆のところへ戻れるわ…」 本気で言ってるのっ!? 冷静な自分と 焦り出す自分、   正反対な感情が交互に喧嘩し出してしまったものですから ここまで来るともう落ち着く余裕なんて無くて私心の中は“怖”の文字でいっぱいになっていました。 一歩後ろは底が見えないほどの崖、 ならばと思って上を見上げればただただ先が見えない草木ばかり。 「はぁ…」 思わずため息が溢れるのも無理はなかったのです。 私は本当にどうやってここへ来てしまったのでしょうか? ただ分からない、分からない、本当に分からないっ 「もうっ誰か教えてよーっ!!」 恥ずかしい話し途方に暮れて私はついに山の中で小さな子供のように泣きじゃくってしまいました。
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