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「宮城くんっ!お願いっ、助けて!」
「助けてって…お前なんで…どうやってそんなとこに…」
そこまで言って宮城君の居る場所から私のいる場所まで何かが転がり落ちたような変な道筋が出来ていたのを知って、咄嗟に宮城君は私がここからあの場所まで誤って滑り落ちたのだと気付いたと言う話しも後から聞く事になったのです。
そして同時に私の足元で青白い顔をした老婆が土の中から顔を出しているのに気付いて宮城君は目を見張ったと言う話しも…ね。
-早く私も連れてってちょうだい…
「いやっ、離してぇっ!」
「木戸っ!!」
木戸が上手く動けないでいるのはあいつのせいか!
宮城君はあの時そんな事を思って勇気を振り絞り私を助けようと老婆に向かって足元にあった石を思いきりえいえいと投げ付けたそうです。
-うあ''ぁ''あ''〜っ!!
「木戸から離れろ化け物っ!木戸っ、俺に掴まれっ!」
老婆は墓の下から半身を出して私達の方をぎょろりとした目つきで見上げていました。
そして私達を追うかのように崖の上に手を付き登ろうとしてきました。
「木戸っ!早く手をっ…!!」
「宮城君っ!!」
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