彼の視線を釘付けに…

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 なんでコッチを見て赤い顔をしてるのかな?少し嬉しくなる。彼も私を意識してくれているのだ。恋愛感情とかそういうのは無くても、可愛らしい男の子から熱い視線を受けるのは悪い気がしない。  そういうのに慣れてないせいか、暑くもないのに汗が噴き出してくる。  次の駅で、乗客に紛れて彼は私の隣までやってきた。視線は落としたままだ。他にも避け得る場所はいくらでもあるのに、私の隣に来ている。ドキドキしてきた。吊り輪を持つ手に自然と力が入る。彼の耳は赤い。ふんわりと石鹸の香りがする。朝にシャワーでも浴びてきてるのかな?なんて想像してみる。  彼は俯き加減で車窓から外の景色を見ていた。私は傲慢にも彼の横顔をチラチラと何度も見た。耳と頬が赤くなっている。可愛くって仕方がない。私の耳も赤くなる。こんな経験は大学以来か?  電車が少し揺れる。  その時、彼は私が握っているハート形の吊り輪を握った!  心臓が高鳴る。高校生相手に。  お互い認識しているからか余計に高揚してくる。ハート形の吊り輪は私と男の子の手に握られていた。  彼は意を決したようにコッチを見た。その気配で私も彼を見る。真っ赤な顔をした彼と私の視線が合う。彼は恥ずかしいのか顔は私を向いたまま、視線だけをずらした。キスしてあげたい。お互いハート形の吊り輪を離そうともしない。  彼は顔を戻して吊り輪を持ったまま、反対の手で器用にスマホを操作しはじめた。動悸がうるさくなってきた。息が苦しい。呼吸が荒くなってきた。初恋でも処女でもないのに。  彼がスマホを操作し終えるのを、外の景色を見ながら待つ。本当は何を書いているのか今すぐに見たい。でも、私は大人の女性で、心に余裕があるところを見せたい。  彼は赤ら顔で私の前にスマホを見せてくれた。そこには、
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