0人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして先生は教えてくれた。
魔法とは自然界に満ちるエネルギーから生み出されるもので、その力を借りて発揮することが出来るものだと。それには魔法の杖は必須なのだが、呪文と振り方を間違うとなにも起こらないため何度もオンライン授業を受けて訓練する必要があること、それに加えてお金は邪悪な力を持っていて持てば持つほど心に闇を抱えることとなり魔法を使ううえで妨げになる。よってお金は手放したほうがよいこと。
ふむふむ、なるほど。でもひとつ気になる。魔法使いなのに何故オンライン授業なの? 魔法学校へ行くものではないの?あの大きな列車に乗れるのかと思っていたのに。
「先生」
すっと手を上げるとみんなの目が僕に向いた。
「魔法の授業なのに何故オンラインなのですか」
「今はそういう時代です」
時代? そんなもの? 僕は首を捻る。その後には、必須な杖はここで今後受講することを決意すれば今なら杖が無料でついてくるうえ、魔法学校の交流会などの参加も初回無料で、他にもテキストを読むための魔法訓練は水晶玉を推奨しているとの事。などなど、魔法に必要なものを教えてくれた。
先生は僕を魔法使いにしてくれるために話していると分かっているのだけれど、だんだん眠くなってきた。魔法の授業ってもっとわくわくするものだと思っていたのに、セールスみたいなことばかりに思えてきてしまう。
次第に僕の頭はブラックアウトした。
はっと気づいて目が覚めると、先生が締めくくりの言葉を言っているところだった。
「魔法のホウキは必ず飛べます。信じる心が力となるのです」
最初のコメントを投稿しよう!