人はパンのみにて生くるにあらず

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 「ああ……」  毎朝、パンとスクランブルエッグかオムレツ。  二日酔いの翌朝にはコンソメスープがあったが。  人間界で他に何を食べたかというと、歌舞伎町の居酒屋での不気味なネーミングの料理とコンビニのツマミのみ。  しかも、記憶が途切れている。  「パンと卵だけあればいいかも。」  「ところで、他にメッセージは届いてないのか?」  ヨエルがスマホを手に取り確認する。  「今のとこ来てないみたい。ディオンは?」  天使の微笑み。  甘い香り付きだ。  「俺のスマホには何も登録されてないと言っただろう。これからも無いだろうな。」  「あ、そうだった。じゃあ僕を追加しなよ。」  
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