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「アサリも買わなきゃ。」
「無駄使いって言われないかな。」
エコレンジャーチョコはどうなんだ、と反論はしなかった。
ディオンは何気なく後ろを振り返った。
男の子が立った儘じっと見詰めている。
人間界にきて一週間にも満たないが、今まで見た人間達のどれにも当て嵌まらない表情をしていた。
「あの子もエコレンジャーが好きなんだって。」
ディオンは不思議に思った。
ヨエルはディオン以上に周りの事に無関心だ。
人の作った物に興味を示す事はあるが、人そのものに感情を留める事が無い。
だから風に吹かれる木の葉のように、直ぐ何処かに行ってしまうのだ。
自分の意思さえ置き去りにして。
ヨエルは男の子の方を振り向きもしないが、記憶に留め話題として触れた。
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