汝の敵を愛せよ

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汝の敵を愛せよ

 高く澄んだ歌声。  此処は天界なのか。  いや、神の声とは違う。  もっとずっと甘く、耳に留めておきたくなる。  細く儚く、麗しい天使のような歌声。  天使──    「行け!GO!行け!GO!滾る血潮、高鳴る鼓動!弾ける情熱ーーレッドは炎、ブルーは海、イエローは大地、グリーンは森、ピンクはラブ。五人の力を合わせればーー怖いものなんて何にも無い無い。地球の平和のためーにー戦え戦えエコレンジャー」  ディオンは瞼をゆっくりと持ち上げた。  身体が怠くて頭が重い。  プンっと良い香りが漂ってきた。    匂いを追った視線の先で、白い尻が揺れていた。  腹がグゥっと鳴る。  「ヨエル……」
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