汝の敵を愛せよ

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昨晩──  「何を買っていいか迷うよね。どういう用途かは分かってるんだけど。自分達に必要か必要で無いかの判断が難しい。スーパーなら迷わないけど。」   「欲しいと思う物を、このカゴに入れればいいだけだ。」  ディオンは言いながらも欲しい物が何なのかが分からなかった。  店員の視線がずっとディオンに付いて回る。  刑事といい店員といい、どうして自分に煩わしい視線を注ぐのか。  悪魔だとバレているんだろうか。  「ねね、ビールも買ってこう。」  「そうだなぁ。日本酒もだ。ツマミはこれとこれで、いいか?」  「うん!」  その時、男女の二人連れの会話が耳に入った。  笑顔で見詰め合い、とても楽しそう。
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