汝の敵を愛せよ

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 「俺が今、欲しいのは塩辛じゃない。」  ヨエルを床に押し倒し、真剣な眼差しで訴える。  突き上げる衝動で全身が熱い。  顔を近付けた。  ヨエルの顔が何故かブレた。  ヨエルが何人もいる。  「ディオン……」 ────  それが昨夜までの記憶だった。  何故、朝までの記憶が無いのか。  「いきなり僕の上で寝てしまったんだよ。ちょっと大変だった。ディオンは体が大きいから。」  「朝まで?」  「そう、ディオンは酔わないって言ってたけど。やっぱり酔ってたんじゃないのかな?」
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