汝の敵を愛せよ

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 「此処を舐められた時、指先まで震えて、自分が消えて無くなるような気がして……ディオンの目も怖かった。悪魔は酔うとああなるの?」  「分からない──熱いから鎮めてくる。」  この儘、全裸のヨエルと向き合っていると大変な事になる。  浴室に駆け込むとブリーフを脱ぎ捨て洗濯機に放り込んだ。  驚いた。  股間にある物が全身の中で異常なまでに主張している。  コイツは自分とは別物で脳味噌を持ち、喋り出すんじゃないか。  形状は、突き上げられた拳を連想させる。  「生意気な!鎮まれ!」  シャワーに切り替え、思い切り冷に捻り迸る水をソイツに浴びせた。  「うわっっつめてーー」  堪らず叫ぶ。  踵に何かが当たった。  
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