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「下北沢より人が多い。何処から涌いてくるんだろう。」
東口前のロータリーを右に見ながら、左方向に弓形に進む。
ALTAと書かれたビルの前の信号にも随分沢山の人が群れていた。
「本当に人が多いな。地獄行きか天界行きか選別してやりたくなる。」
「老人が少ないよね。まだ寿命があるうちの選別は禁じられてるし、見極める事も僕には出来ない。淀みが酷い。ともかく浄化しないと。」
ヨエルの手から浄化の気が放出される。
心なしか周囲の人間達の表情が和らいだように思えた。
とは言っても魂まで浄化出来る訳ではないが。
地獄か天界かの選別を死亡前に行うのは、受け入れる側の手間を省く為だ。
既に病床にあり余命いくばくもない者であれば、命が尽きる前に印を付けておく事も許される。
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