汝の敵を愛せよ

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 「あ……ああん……ひゃん……」  吹き出しのセリフを声に出して読んでみた。  コマを越境する効果音白抜き文字が激しく躍っている。  「パンパン、ズル、ヌチョヌチョ、ビシュ」  表紙や扉絵如きで衝撃を受けている場合では無かった。  盛大に交わっている。  ヨエルに良く似たキャラが、これでもかと男に攻められていた。  「申し訳ございませんが、立ち読みは御遠慮頂いております。」  声を掛けられ振り向くと、引き攣った笑みを浮かべた女性店員が立っていた。  「これ、買うんです。」  無表情で告げる。  「え、ええ……では、彼方がレジになりますので……」
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