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「出来るだけ天界に送る為に僕達は人間界にいるんだよね。」
「じゃあ、どうする?」
役立たずで目的を殆んど忘れてるようにしか見えないヨエル。
悪魔としてあるが儘で腐った魂を天に上げる方法はないのか。
神を呪う。
天界と魔界は相反する役割を持って対等だが、神のみは何れをも超越した存在だ。
神に逆らえばルシファーのように氷付けとなるが、恐らくルシファーは逆らったという認識すら無かっただろう。
超越した存在に対して逆らう逆らわないという選択肢は無い。
意に添わなかったというのが正しいのかもしれない。
神は天界魔界の如何なる者も従えようとはしていない。
だから背く事もないし、従う事も無いのが悪魔だとディオンは思っている。
「お腹空いた。」
天使って奴は全く──
「そうだな。」
ディオンは記号でしかない文字と猥雑な色彩で何かを主張するビル群を見回した。
いつの間にか二人は靖国通りまで進んでいた。
大通りを流れる車列の向こう側にある歌舞伎町一番街という赤い文字に目が止まる。
「歌舞伎町──」
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