汝の敵を愛せよ

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 店員が去った後、二人は恋のキューピッドで乾杯した。  「乾杯!」  「美味しいね。お腹空いて死にそうだよ。死なないけど。」  「人間は良く死にそうだの死にたいと口にする割には死を恐れる。何でだろうな。」  「食べようよ。美味しそう!」  ケチャップで血糊を表した血塗れハンバーグを頬張る。  空っぽの胃にグイグイと合挽き肉を詰め込み、渇いた喉を恋のキューピッドで潤す。  串刺し地鶏にガツガツと歯を立て、目玉入りシチューをすする。  あっという間にテーブルの上の料理を平らげ、注文を追加する事にした。  「神の楽園を二つと、生け贄ラムチョップ、因縁絡むカルボナーラ、エスカルゴ魔方陣、呪術海鮮チャーハン、まだまだ食べれるね。あ、神の楽園はドタマ割りで!」  「神の楽園ドタマ割りぃ、お二つ入りましたぁ」  店員がドリンクの注文のみを、また大声で叫ぶ。  
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